電子マネー決済サービスを導入するメリット・デメリットを比較

電子マネーの決済とは?

電子マネー決済は、カードやスマホを専用機器にかざすことで、簡単に支払いができる決済方法です。
事前にチャージを行う「プリペイド型」と、後払いの「ポストペイ型」、自動引き落としの「デビット型」に分類されます。
また、電子マネーの種類は主に3系統に区分されます。SuicaやPASUMOなど鉄道会社が発行する「交通系」、nanacoやWAONなど小売業が発行する「流通系」、そしてクレジットカードと一体化した「クレジットカード系」です。
2020年現在、これらの電子マネーはコンビニエンスストアや一部飲食店の支払いにも利用できます。

電子マネー決済の導入メリット

電子マネー決済を導入するメリットを3つご紹介します。
事業者様は電子マネー決済を導入する前に把握しておきましょう。

会計時間を短縮できる

電子マネーをはじめとした非接触型ICカードは、専用カードリーダーに電子マネーカードをかざすだけで支払いできることから、キャッシュレスの中で最も速い「6~10秒」で決済が完了します。
会計に必要な時間が短縮されるため、顧客の回転率の上昇が期待できます。さらに、会計に必要としていた従業員の人数を抑えることで人件費の抑制にもつながることや、会計の待ち時間が長いことで商品の購入を諦めてしまう顧客の退店リスクも緩和できるでしょう。
電子マネーを導入し会計時間を短縮することで、事業者様が抱える不安要素をまとめて解消できるかもしれません。

決済方法 かかる時間
非接触型
ICカード
6~10秒
クレジット
カード
9~19秒
QRコード決済 12~32秒
現金 15~40秒

(出典:キャッシュレス決済は現金より何秒早い?JCBが“決済速度”をテスト

顧客のニーズに対応

キャッシュレス決済は「クレジットカード決済」「QRコード決済」「電子マネー決済」など複数の決済方法で成り立っています。キャッシュレス決済を希望する顧客のニーズに応えるためには、特定の決済方法ではなく、幅広い決済方法に対応することが大切です。

また、『会計時間を短縮できる』で紹介した「スピーディーな決済速度」は、エンドユーザーにもメリットがあります。例えば、朝の通勤ラッシュで時間に追われているサラリーマンの場合、できるかぎりスピーディーに決済したいと考え、電子マネー決済を選択することが想定できます。さらに、利用金額に応じてポイントが貯まることから、サラリーマンだけでなくショッピングを楽しむ主婦層にもニーズがあります。

電子マネー決済を導入することで、新たな顧客層獲得の可能性が広がります。

未回収リスクの軽減

現金払いの場合、店舗の従業員は「顧客から支払われた金額」を確認し、レジに金額を入力、「釣銭」を確認するという、3つの作業が必要です。

しかし、3つの作業いずれかが誤っていた場合、未収金が発生する可能性があるため、「現金払い」は未回収リスクが付き物だと言えます。一方、電子マネー決済の場合は、前述した3つの作業がすべて不要です。現金払いと比較すると、電子マネー決済は未回収リスクを大幅に軽減することが出来ます。

電子マネー決済の導入デメリット

電子マネー決済を導入する場合のデメリットや注意点、その解決策を3つ紹介します。
比較検討の参考にしてください。

カードリーダーなど専用端末が必要

電子マネー決済を導入する場合、すでに利用している決済端末の他に、電子マネー専用カードリーダーを別途導入しなければいけない場合があります。
専用カードリーダーを別途導入する場合、「電子マネーのカード会社と直接契約を交わす直接契約」と「決済代行会社を利用する間接契約」の2種類から選択できます。

複数の電子マネー決済を導入したい事業者様の場合、直接契約では経理が複雑化してしまうことから、「決済代行会社を利用する間接契約」をお勧めします。

アルファノートのポータブルマルチ決済端末は、決済端末に電子マネーのカードリーダーが付属しているため、1台契約することで、クレジットカード決済・QRコード決済、そして電子マネー決済を導入できます。

高額決済されにくい

クレジットカード決済や現金払いに比べ、電子マネー決済は高額決済に利用されにくいといわれています。高額決済に不向きな理由のひとつはチャージ金額の上限です。

「プリペイドカード型」の電子マネーの場合、一度にチャージできる金額が決められています。例えば、「Suica」の場合は一度にチャージできる金額が10,000円までで、チャージ上限が20,000円のため、10,000円以上の支払いには利用されにくいと言えるでしょう。

もうひとつの理由はセキュリティです。電子マネーのカードには磁気を読み取るICチップ機能が搭載されていることから、スキマーを近づけることで情報を読み取られる可能性があります。情報を読み取られるスキミングのリスクを防ぐためにはスキミング防止カードが有効ですが、そうまでして電子マネーで高額決済をしたいエンドユーザーは少ないかもしれません。事業者様は高額決済にも柔軟に対応できるよう、電子マネーとともにクレジットカード決済を導入することをお勧めします。

決済手数料が発生する

クレジットカード決済やQRコード決済と同様に、電子マネー決済においても決済手数料が発生します。店舗で電子マネー決済を導入する場合、決済方法によってどのくらい手数料が異なるかを確認しておくことをお勧めします。

決済手数料は、「契約形態」「業種」「決済金額」に応じて手数料が変動する決済会社が一般的とされていますが、これに加えて「決済ブランド」によって、決済手数料が変動する場合があります。 VISA・MasterCardやPayPayなど、2020年現在ではさまざまな決済ブランドが存在しますが、それぞれの決済手数は異なるということを前提に導入を検討しましょう。

また、短期利用や試験的な利用を検討している事業者様は、手数料だけでなく、初期費用の支払い額が高額にならないよう注意しましょう。

まとめ

電子マネー決済を導入することによるメリット・デメリットを解説しました。
電子マネー決済はここ数年で飛躍的に利用率が伸びている決済方法です。加盟店舗数が伸びていることから、今後もさらに普及すると言われています。

その一方で、クレジットカード決済と比較すると加盟店舗数は少なく、高額決済への対応にも課題があることから、複数のキャッシュレス決済を併用することを推奨します。

電子マネー決済と併せて、クレジットカード決済やQRコード決済の導入も検討してみてはいかがでしょうか。