NFCとは?Felicaなどの規格・非接触型(コンタクトレス)決済の普及率を解説

NFC

NFCとは

NFCは、ICカードなどの非接触型決済に利用される近距離無線通信技術です。数センチ程度の近い距離で、対応するデバイス同士をかざすだけで、データの送受信や認証を行うことができます。
NFCは、ソニーが開発したFeliCa(フェリカ)という技術をベースに、国際標準規格として策定されました。そのため、日本国内で普及しているおサイフケータイやSuica、PASMOなどの交通系ICカードも、NFCの一種であるFeliCaの技術が使われています。NFCを活用した代表例には、スマートフォンやカードをかざす動作で行える「キャッシュレス決済」や、スマートフォン同士を近づけて情報を共有できる「データ通信」・タグの読み取り・認証・Blurtooth接続などが挙げられます。

設立メンバー NXPセミコンダクターズ・ノキア・ソニー
コンセプト グローバルな互換性、形状の自由度

NFCの規格一覧

Felica(Type-F)

Felicaは、日本企業「ソニー」が開発した非接触ICカード技術です。FelicaはNFC規格の一種であり、規格名「Type-F」と呼ばれることもあります。Felicaの最大の特徴は、瞬時にデータ処理を実行できる処理速度・セキュリティの高さにあります。

周波数 13.56 MHz
通信速度 最大847kbps
開発社 ソニー
処理速度 約0.1秒
Felica(Type-F)

Felicaの特徴

  • ・非接触・高速データ通信…カードを読み取り機にかざすだけで、約0.1秒という高速でデータの読み書きが可能です。

  • ・マルチアプリケーション…1枚のカードで複数のサービスを利用できます。例えば、電子マネー、交通系ICカード、IDカードなどの機能を1枚に集約できます。

  • ・高度なセキュリティ…ICチップ内のデータは暗号化されており、不正なアクセスや改ざんを防ぐことができます。

  • ・多用な形状に対応… ICカードだけでなく、携帯電話(おサイフケータイ)、腕時計、キーホルダーなど様々な形状に組み込むことができます。

  • Felicaの仕組み

    Felicaのカードには、ICチップとアンテナが内臓されています。読み取り機(リーダー/ライター)から発せられる電波をカードのアンテナがキャッチし、その電波を利用してICチップとリーダー/ライター間でデータの送受信を行います。この通信は、微弱な電磁波を利用しているため、カードを直接接触させる必要がなく、「かざす」だけで利用できるのです。

    Felicaの処理速度

    Felicaは13.56MHzの周波数帯を利用して通信し、Felicaの最大通信速度の理論値は847kbpsと言われています。kbpsは1秒間に送れるデータ量を示し、秒数に換算すると約0.1秒でデータ処理していることになります。”かざす”だけでデータ処理が実行されることもFelica独自の特徴です。

    Felicaのセキュリティ面

    Felicaのセキュリティ面は「ファイルシステム」「製造番号(IDm)」により強化されています。「ファイルシステム」は(アクセス権を設置しなければサービスを利用できず)他人の不正利用を防ぐことができ、「製造番号(IDm)」はデータの書き換えを防ぐことができます。

    Felicaが採用されたサービス一例

    日本国内では、FeliCaの技術が広く普及しています。以下に挙げた例のように、様々な用途で利用されています。

    Type-A

    Type-A

    「Type-A」は、オランダの半導体メーカー「NXPセミコンダクターズ」が開発した規格です。日本では、テレホンカード・自動精算機などに採用されています。

    Type-B

    「Type-B」は、NFC(近距離無線通信)の規格の一つです。アメリカの企業「モトローラ」が開発しました。ICチップ内に高度な処理を実行できるCPUが搭載され、高度なセキュリティを保持しています。日本では、パスポートや運転免許証・マイナンバーカード・住民基本台帳カードや、Visa・Mastercardの非接触型決済に採用されています。

    Type-B

    スマホを利用したNFCの活用例

    NFCはスマートフォンの支払い機能にも活用されています。NFCを搭載したスマートフォンには、Reader/Writerの通信機能が搭載されています。Reader/Writerは、非接触でICチップと通信を行う機能です。スマートフォンをICチップに近づけることで、ICチップが保有する情報をスマートフォンに読み込ませることが出来ます。NFCを搭載したスマートフォンは、デバイスごとに利用できるサービスが異なります。iPhone・Androidの活用例を、デバイスごとにご紹介します。

    iPhoneでのNFC活用例

    iPhoneでのNFC活用方法は「モバイルSuica」「Apple Pay」です。iOS13以上を搭載したiPhone7以降の機種で利用できます。iPhone 6/6sでもNFCに対応しているものの、iPhone 6/6sで利用可能な支払い方法はApple Payに限定されます。

    モバイルSuica

    JR東日本が提供する「モバイルSuica」にはNFCが搭載されています。
    「モバイルSuica」は、従来のSuicaカードの機能をスマートフォンで利用できるサービスであり、駅構内の改札を通る、あるいは、お店で買い物をする際の決済に利用できます。従来のSuicaカードに対し「モバイルSuica」は、スマートフォンでの残高確認やチャージ、グリーン券の購入等を行えます。

    Apple Pay

    Appleが提供する「Apple Pay」には、NFCが搭載されています。「Apple Pay」は、iPhoneのアプリケーション「Wallet」にクレジットカードを登録することで利用できる支払い機能です。Apple store等のApple関連サービスから、お店で買い物をした際の支払いなど、幅広く利用できます。

    iPhoneでNFCを設定するには?

    iPhoneではNFCの設定が基本的に「ON」になりますが、利用開始するためには以下の手順が必要です。

    ・Touch ID搭載機種 (iPhone SE (第2世代) 以降、iPhone 6s〜8 Plus): 「設定」アプリを開き、「Touch IDとパスコード」を選択して、Touch IDを設定します。
    ・Face ID搭載機種 (iPhone X 以降): 「設定」アプリを開き、「Face IDとパスコード」を選択して、Face IDを設定します。




    AndroidでのNFC活用例

    AndroidでのNFC活用方法は「おサイフケータイ」「Google Pay」です。NFCの対応可否は、機種により異なります。

    おサイフケータイ

    「おサイフケータイ」はNFCを利用したモバイル決済サービスの総称で、スマートフォンを財布代わりに利用できる決済サービスです。「おサイフケータイ」を設定することで、スマートフォンに電子マネーやポイントカード等の機能を付帯でき、支払い時にかざす動作で決済や認証を行えるようになります。

    Google Pay

    「Google Pay」には、NFCが搭載されています。
    「Google Pay」のアプリケーションに、クレジットカードや電子マネーを事前登録することで利用できます。「Google Pay」の対応店舗に設置している決済端末にスマートフォンをかざすことで、決済が完了します。

    AndroidでNFCを設定するには?

    Androidの場合、以下の手順でNFCの機能を有効にできます。

    1. ホーム画面またはアプリ一覧から「設定」アプリを開きます。
    2.「接続」または「無線とネットワーク」に関する項目を探し、選択します。
    ※機種によって表示が異なります。
    3.「NFC」または「NFC/おサイフケータイ設定」を選択します。

    非接触型(コンタクトレス)決済の普及率

    Felicaを含むNFCの規格は、非接触型決済に採用されていますが、普及率はどのように推移しているのでしょうか。一般社団法人キャッシュレス推進協議会が公表した「消費者インサイト調査(2020年度版)」によると、非接触式IC型決済アプリの保有率は約25%、交通系電子マネーの保有率は約58%、交通系以外の電子マネーの保有率は約52%とされています。
    2020年度の調査結果から非接触型決済は2人に1人は保有しているサービスであることが判りますが、キャッシュレス決済が普及した2024年(現在)では、さらに多くの方が利用している状態が予想されます。

    非接触型決済のなかで利用率の高いサービスには「モバイルSuica」「iD」「楽天Edy」が挙げられます。非接触型決済は、公共交通機関から流通系のサービスまで幅広く利用され、わたしたちの生活に欠かせない決済手段であることが伺えます。

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    決済端末「アルファポータブル」は、SuicaやPASMO・iD・楽天Edyなどの非接触型決済に対応しています。非接触型決済は、データの処理速度が速く、手早く決済したい方にニーズの強い支払い方法です。非接触型決済に対応した決済端末「アルファポータブル」を導入することでレジ会計の時間短縮を見込むことができ、会計待ちをする顧客を最小限に抑えることができます。レジ会計のオペレーション改善にも効果的です。
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    ご導入の流れ

    非接触型決済は、下記の流れでご導入いただけます。

    STEP1
    お問い合わせ
    STEP2
    お申込書と必要書類のご提出
    ※必要書類については問い合わせください
    STEP3
    加盟店審査
    STEP4
    端末設定
    STEP5
    お届け・サービス開始